「一億総特攻」という太平洋戦争終盤の日本の軍事戦略の愚行

毎年8月15日前後には必ず太平洋戦争終盤のさまざまな状況を映し出す報道番組が多い。今年もいくつかの番組を見た。

2024年8月17日に報道された「一億総特攻」というタイトル番組。

特攻については本、報道番組、映画などで知られているのである程度の知識はあった。

しかし、この番組の中で語られた、特攻ということを始めたフィリピン戦線から始まること。

多くの若者がどんな国内世論に押され駆り出されたのか。

日本国民の感情の状態などを赤裸々羅に表していました。

国民学校が特攻の志願兵を何人出さないといけないと自分の学校の生徒を戦場へ送り出すシステムを作り上げていた。番組の説明はこんなようなものでした。

志願兵が特攻に対して「熱望」「望」「否」の3つの選択肢を用紙に記入させている。

「否」はほとんどいなかったという。

「望」の本音は「否」を書きたいが書ける日本の風潮ではなかったということ。

「否」と書けば国賊といわれる時代なんです。当時の志願兵で生存している方が番組で語っていた「あれはmust beであって~しなければならない」というものであったと。

79年前の日本はこんな世界であったんです。

自由に言論を主張できる国ではなかったんです。

10~20代前半の若者が予科練として航空機の練習をして最初の実践が特攻という異常な時代。

正に助かるという道はない、死しかなかったんです。

練習機で特攻を命じられ撃墜された若者は300人に達するという。戦況を打開するどころかますます苦境に陥るにも関わらず一億総特攻するんだと国民を鼓舞する国の指導者たち。

狂っているとしかいいようがない。

日本の敗戦が色濃くなっている3~5月でますます広がる特攻。

特攻で戦っている前線の人たちに呼応するに国内ではますます国民へのプロパガンダが進み、勇ましい言葉が飛び交います。

そんな国家にしてしまったのはどうしてなのか。日本を神の国として神格化し命を捧げるのは当然の如く指導する愚かさ。

報道内容を見て悲しいより憤りを感じざるを得ませんでした。

プロパガンダは、特定の思想・世論・意識・行動へ誘導する意図を持った行為のことです。私たちはこの当時よりはるかにSNSで情報が入手できます。そのSNSではフェイク情報も多く信じがたいものがたくさんあります。

情報拡散が80年前より瞬時に世界を駆け回ります。

フェイクを信じうろたえる人、騙される人、不安で不調を訴える人等など誘導されやすい人間が激増しているような気がします。

この80年前の日本に再び戻ることがないように私たちは注意をしていかないといけないと考えざるを得ません。

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