ネオニコチノイドとは多用されている農薬(殺虫剤の1種)です。タバコの有害成分ニコチンに似ているので、ネオニコチノイド(新しいニコチン用物質)と呼ばれています。
1990年代初めに有機リン農薬の後に開発されたものです。
その農薬が多く使用された食べ物が食卓に上がっているというお話を今回取り上げました。
その農薬はどんな特徴があるのか
ネオニコチノイドの特徴
1無味無臭無色
2浸透性
3残効性
4神経毒性
といわれてます。
どんな影響があるか?
ミツバチを含む昆虫類や生態系、さらには人への影響が懸念されています。ネオニコチノイドは水溶性で植物内部に浸透することから、浸透性農薬とも呼ばれています。
ネオニコチノイドの国内出荷量は年々増加していて、最近約30年間で3倍に増えたそうです。
その用途は農業、林業、家庭用など私たちの生活全般に広がり、これまで使用されてきた農薬の有機リン系農薬から少量で効き目の強いネオニコチノイドに入れ替わりつつあるようです。
ネオニコチノイドは、稲、野菜、果物、菊、バラなどの栽培、そしてシロアリ、松枯れ病の防除などのために広く使われています。
噴霧されたネオニコチノイドは、水溶性で浸透性が高く植物の葉や茎から直接吸収されます。つまり土壌に撒かれると根から吸収され、茎、花、花粉、蜜、果実などに行き渡り直物の内部からも殺虫効果を持ち続けます。内部にまで浸透してしまうので表面を洗っても落とすことはできません。
洗っておけば大丈夫と思うのはもはや間違いなのですね🥺
それゆえにミツバチは花に接触しまうのでネオニコチノイドに直接触れてしまっています。
この直接触れるということはミツバチが蜜、花粉、水などに含まれるネオニコチノイドを口から摂取するであり、摂取によりミツバチの生体に入り込み、体内で毒性が10倍以上強くなることが明らかになっているようです。
この話はとても恐ろしいですね。はちみつを愛用している私は、はちみつが大丈夫なのか心配になります。
私たちが食べる農作物への影響は
農作物を作っていく過程で農薬がどのくらい散布されてると思いますか?
それは1回や2回ではないのです。
日本のある県の農産物防除歴の1例で、地域によっては開始が異なりますが、農薬の散布回数は以下のようにあるようです。
茄子は74回
かぼちゃは68回
ピーマンは62回
トマトは62回
きゅうりは50回
などになっています、驚きませんか。
これはネオニコチノイド農薬のほかに様々な農薬を含んでいますので、私たちが毎日食べている野菜や果物にどんな農薬がどのくらい使われているか、私たちは全く知らないことです。
ちなみに、特別栽培農作物とは、このような慣行栽培(農家の多くが実践する一般的な農作物の栽培方法で、化学肥料や農薬の使用を前提とする栽培のこと)による科学構成農薬及び化学肥料の散布を5割以上削減して生産した農産物のことをいいます。
昔は農薬を撒くと葉っぱが白くなって農薬が巻かれたことがはっきりとわかりました。しかし今では、ネオニコチノイド農薬は無色透明で匂いもしないため、見た目では農薬が巻かれたかどうかわからないのです。
農薬散布は、厚生労働省が私たち人間が体内に摂取しても、安全だとする果物、野菜、茶などの植物に対して残留基準値を定めています。しかし、残留基準値が高いのために改正されるようなことも過去に発生しています。
日本は事前に制止することよりも、何かが起こってから禁止する傾向がなんだか多いように感じるのは私だけでしょうか?そこには人よりも企業を重視する風土があるように私は感じてなりません。
また、日本の農薬使用量が欧米より格段に多く、欧米の基準値まで下げられないことが原因の1つであると考えられます。
日本はネオニコチノイドをどのように見ているのか
ネオニコチノイドを安全だという話を次のように表現しています
- 弱毒性
- 虫は殺しが人には安全
- 揮発しにくいので安全
- 環境保全型農薬
- 農薬の散布回数が減らせる
- 少量で効果が長時間持続する
しかし、現実は残効性が高い、複合毒性が高い、浸透性殺虫剤であり根から吸い取った薬剤が茎や歯なども隅々まで浸透し洗っても落ちない、人にも神経毒性を持ち被害が出ている、代謝産物の毒性が高く生体の中に入ってから毒性が増加するなどといわれています。何が安全かを見る力がないというか、わざと事実を歪曲して捉えているとしか私は思えません。
農薬の歴史
農薬とは、元々は昆虫の神経性を標的として開発されてきたそうです。
農薬の歴史を見ると、新しい農薬は救世主のように絶賛されて登場しますが、数十年後に危険性が明らかになり禁止されるということが繰り返されてきています。
過去には有機リン農薬は2007年EUではその大部分を毒性、評価の末に禁止しています。しかし、これらの農薬のほとんどが日本では大量に使用されています。
害虫を殺すためのつもりの農薬が、人間にまでその影響及び始めているという事実が出てきているのです。
有機リン農薬が低用量でも子供の尿から検診され、ADHDを発症する確率が2倍上がると言う研究もアメリカで発表されています。
現在、私たち日本人はニコチノイド農薬と有機リン農薬、ピレスロイド農薬、いまだに汚染の続く有機塩素系農薬など多種類の農薬に同時にさらされています。
その背景として子供の発達障害やアレルギーが急増し、成人の精神疾患も近年急上昇しています。自慢できることではないですが日本は世界でも有数な農薬使用国なのです。これで自国の農作物が安全だと、どうしていえるのでしょうか。
戦後半世紀、日本は世界第一位の農薬大国の時期が続きました。しかし、昨今は中国や韓国の農薬使用が増え、FAOのデータによれば、2018年時点で、日本は対面面積あたりの農薬使用量が何とか世界第2位となる1位の座を譲る結果となりました。
日本はどうして農薬を多く使用するのか
では、どうしてそれほど多くの農薬が使用されてきたのでしょうか。
農林水産省は日本は高温多湿なので、害虫が多く農薬が他の国に比べてたくさん必要になるからだと説明しています。
本当にそうなんでしょうか?
思い込みこみなのかは定かではありませんが、この考えによって戦後長く過剰な農薬と化学肥料に依存する農業が続いてきたようです。
今日、国内の農家は高齢化と担い手不足により増し、ますます農薬依存から抜け出すことが難しくなっています。
おいしそうに店頭に並ぶ真っ赤なイチゴ。
日本の果物はおいしいと世界でも評判です。それは長年品種改良を積み重ね、栽培方法も高度に管理され、しかも激烈な産地環境国に抜けて高い品質もされているのです。
しかし、このような高品質のイチゴを作るために、どれだけたくさんの農薬が使えているのか、私たちは知りません。
ここで私たち消費者が考えなければならないのは、綺麗な野菜がいい、曲がっているのはダメだとか購入する側が生産者を農薬を使用することに追い込んでいるかもしれません。
こんなことがありました
台湾で日本から輸入したイチゴなどの農産物が台湾の残留基準に違反しているとして、2013年末から3ヶ月間に39件輸入差し止めとなったと言うことがありました。
その中で批判が最も多かったのはイチゴだったというのです。
日本で使用が許可されている農薬の数は台湾よりはるかに多いだけでなく、残留基準もケタ外れに高いのです。
例えば、フロニカドと言う農薬は、台湾の残留基準値0.02ピーピーエムに対して、日本は2ピーピーエムと日本の方が100倍も高く、たくさん農薬が入っていても良いことになっていたのです。これが農作物の輸出の妨げになっている現実です。
農薬が散布されることにより、病害虫だけでなく、ミツバチなどのポリネーター(受粉昆虫)やトンボなど、あらゆる昆虫へ影響します。ネオニコチノイドは昆虫だけでなく、水溶性と残効性を持つため、土壌や河川を汚染し、そこに生息する。多様な生物にも深刻な影響を与えています。
生体の個体数が減ったり絶滅したりすれば、食物連鎖を通じて、他の生物も減少したり、絶滅したりして、どんどん多様性の貧弱な生態系になっていく可能性があるそうです。
細菌の農薬の散布については、ドローンが活躍しています。ドローンによって散布が容易になり、高齢化の農家や人がいないという問題には効果を発揮しています。
ネオニコチノイドの作用
ネオニコチノイドは昆虫や人の神経系で重要な働きをしているアセチルコリンという物質に似た働きをします。
アセチルコリンが受容体に結合すると、信号のスイッチがオンになり、次の神経細胞の信号が伝達されます。
ネオニコチノイドはそのアセチルコリンに変わり、神経伝達のスイッチをオンの状態にして異常興奮を起こすニセ神経伝達物質となっているのです。
一方で有機リン農薬はアセチルコリンの分解を阻害して、不必要なアセチルコリンが蓄積し、正常な神経伝達ができなくなるので、両方に暴露すると、低用量でも複合影響があり、毒性が高くなる可能性があるのです。
前述しましたがミツバチがネオニコチノイドに低容量での接触し長くその状態に暴露すると、ミチバチの脳の働きはおかしくなり方向性を失い、巣に戻れなくなると考えられています。
そしてなんと!家の中もネオニコチノイドだらけだというのです。
住宅建築時には木材建材、断熱材、土壌処理剤等が対応されます。例えば、土壌処理剤として、床下のシロアリ駆除の目的でネオニコチノイドチノイドのハクチサン、タケチロックなどが使われています。
また、大手プレハブ住宅のパネル、工法などでは、ネオニコチノイド薬剤を断熱材に染み込ませる、建材の表面に塗る、接着剤に混ぜるなどの方法で使われています。
ネオニコチノイドが哺乳類の神経に対し、ニコチン様の作用を及ぼすという研究報告が多く出てきています。
ニコチンの毒性は近年明らかとなり、特に胎児や商事では低用量でも多様な発達特性が確認されています。
ニコチノイド系農薬により、腸内細菌叢の多様性の低下を明らかになったとされた発表もあります。
有機リン農薬やネオニコチノイド農薬は、微量でも脳の情報を伝達するアセチルコリンの働きを狂わせます。脳の発達のための遺伝子の働きを調整するという重要な役割を狂わせるために、子供の脳の機能発達に影響が出る可能性があるとしています。
それを疑う症例が子供の病気や障害が自閉症、スペクトラム賞、ADHD、喘息、知能低下、糖尿病症児が先天性異常などです。
また日本の水道は昔から安全だという話をよく耳にしていました。ところが2020年水道業者を担う厚生労働省の研究者も共著とする論文が発表されました。
それは日本の水道水には水田に巻かれた農薬を中心にEUの基準をはるかに超える農薬が混入してると指摘されたものでした。
近年、筋肉や神経の麻痺を伴う病気、ALS筋萎縮性側索硬化症や重症筋無力症やパーキンソン病など神経難病が珍しくなくなってきました。
最近数十年日本で激増しているのは一体なぜなのでしょうか。
パーキンソン病は神経伝達物質ドーパミンを作る神経細胞が変性したり、死滅したりすることによって発病し、運動機能の取れ、手足の震え、筋肉の効果が特徴で寝たきりになっている人もいます。
重症筋無力症は筋肉の神経伝達の異常により病気といわれています。
私たちの体の中には60種類もの体を調整する神経伝達物質がありますが、その一つ、アセチルコリンによる筋肉への神経伝達が阻害されて、重症筋無力症が発症するとされています。
スーパーで普通に売られている農薬を使用して作る食材を食べていると、どの程度ネオニコチノイド農薬が体内に入るのでしょうか。
また有機食材に変えると体内の良い子を減らせるのでしょうか。
北海道大学の研究などにより、有機食材に切り替えた場合は、尿中のネオニコチノイド濃度が低下することが判明しています
これでもかというくらいネオニコチノイドの影響というものが明らかになっていても、農林水産省は認めようとはしていないようです。農薬の世界も農薬メーカー、脳水晶、農協などが一体となった農薬村によってその普及と販売が促進されています。
農林水産省は農薬メーカーが示した農薬の毒性試験の結果を根拠に農薬の使用促進し、それにお墨付きを与えるのが御用学者です。これを農林族議員が支えています。
農家の農薬販売を最前線で担うのが全国農業協同組合中央会参加の各地域の農協です。
農薬が売れれば売れるほど農薬に関わる利潤が生まれます。それらを守らんがための国民を欺く農薬の安全性、評価ではないのかと疑ってしまいます。
消費者として近隣のスーパーには普通に農薬が使用された作物が並び購入しやすい状態です。
そして、有機で栽培された作物を買おうとすると離れた販売所や特定のところからネット販売などで購入せざるを得ないのが実情かもしれません。
まとめ
怖いくらいにネオニコチノイドの影響をご紹介しました。
これを読んでスーパーで食品を選ぶのが怖いくらいです。
でも、あんまり神経質になると、買う者がない食べるものがないということにもなりかねませんが、自分の健康は自分が買うものを選択する、食べるものを選択する、まさに投票する感覚でしょうか。
投票されて選ばれるものが生き残り、そうでないものはすたれていく。私たち消費者が選択する眼をもっていないといけないのではないかと思いました。
今回のお話は以下の著書を参考に書かせていただきました。