2023年心不全の方が急増しているニュースを聞いて、どうして?と疑問に思ったことを書いていきます。
このような急増数を見て、新型コロナの感染症患者の爆発的な広がりになぞらえて「心不全パンデミック」と呼んでいるようです。
発症する人は高齢者に多いわけですが、最近では現役の方にも起こりうる恐ろしい病気といえるようです。
下記の資料はNHKのドキュメントで取り上げられた資料です。
心不全発症までの危険因子期間、異常出現期間を合わせると20年という時間があるそうです。
つまり60歳で発症した方は40歳から発症に向けての因子を抱え始めたことになります。
心不全って実際何?
心不全とは、心臓に何らかの異常があって、心臓のポンプ機能が低下し全身の臓器が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態をさします。特定の病気そのものをいうのではなくさまざまな要因が積み重なり心臓のポンプ機能を弱らせてきたということです。
不整脈、高血圧症、心筋症、心筋梗塞、弁膜症などが心臓を弱らせていきます。
心不全の予兆はどんなもの?
疲労感、不眠、寒気など、血液の流れがわるくなる症状には、息切れ、呼吸困難、むくみ(浮腫)などがあります。
最初のうちは、階段や坂道などを少し登ったときに息切れする程度なのですが、進行すると少し歩いたり、身体を動かしたりするだけでも息苦しくなってしまいます。
そして、さらに悪化すると、特に運動や体を動かしていない安静な状態の時にも症状が出るようになります。
夜中、寝ているときでも咳が出たり、息苦しさで寝ていられなくなることもあります。
起きると少し楽になったりするのが特徴です。
起きても症状が出てきたらかなり危険です。すぐの病院へ行かれた方がよいと思われます。
このように思うとなんでも「歳のせいやわ!」と思っていると救急車のお世話になりかねません。
心不全を予防するためにツール
さまざまな要因が元で心不全は発症するのがわかっていただけたと思いますが、根本には動脈硬化が起こっていることがあります。自分の状態を計測して発症リスクをわかるツールがあります。
日本動脈硬化学会のHPで出している「動脈硬化性疾患発症予測ツール これりすくん」です
健康診断結果をもってご自分の数値を入れてみてはいかがですか。
心不全を起こさない生活習慣
動脈硬化を起こす要因は生活習慣にあります。ご自分の食、運動、睡眠など普段の生活パターンを理解することが大事です。
特に注意したいのは高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、そしてメタボリックシンドロームです。
脂っこいもの(肉など)を中心に食べている、スナック菓子が多い、甘いものが多い、塩分の多い食事、ラーメン・うどんなどは汁まで毎回全部飲む、インスタント食品が多い等の食事は動脈硬化になる危険因子をどんどん体に蓄積をさせています。
まとめ
心不全パンデミックという衝撃的な言葉ですが、あながち誇大な話ではなくて、毎年1万人の入院患者が増えているそうです。まさに新型コロナウイルス的な増加です。
40代だから、まだ若いと思っていて不摂生な食事と運動不足は人生100年時代といわれる中ですが、その入り口の60代で危険な人生の岐路に立たされてしまうリスクがあります。
介護を受けないと生きていけない老後が長いほど苦しいものはありません。早めにご自分の生活習慣を見直すことをおススメします。