人間も動物だけど、他の動物と区別することの一つに音楽がある。
人間は音楽を集団で拍子を合わせで動作を同調する能力が備わっている。
簡単にいうと、人間は一緒のグループで一定の拍子で拍手をしたり踊ったり、歌を歌ったり、楽器を演奏したりして共同で取り組むことができる。
これらの行動は他の動物には見られないことだという
音楽は感情に影響を与える
人間はグループや一定の集団と一緒に音楽を奏でるとポジティブな感情に喚起されて、その感情は癒しの力を発揮するといいます。
音楽はいろいろありますが楽器を問わず、音楽を奏でる時に集団内のメンバーは協力し合います。一度協力しあった人間はその後も協力しやすくなり助け合いもしやすくなる。
私自身もハーモニカ、ウクレレでアンサンブル演奏の練習や発表をした時にはメンバーと親近感がぐっと高まりましたし、その後も仲間意識が高くなりました。
音楽の特徴
人が話をする時の発する音は、イントネーションやリズムを伴います。地域によって言語が違ったり、同じ国でも方言があったりしますね。
どんな地域の人も話をするのは一人でないと、その人の話が他の人に通じにくいものがあります。
会議で参加者が思い思いに話をし始めると何の話をしているか、わからなくなります。
わぁわぁと話を始めると言語は耳障りな音になり雑音になってしまうのです。
でも音楽はどうでしょう。
複数の人が同時に同じ音を出す、響きを奏でると大勢の人へ同時に伝わります。
歌であれば詩の内容が伝わります。
この点を考えると音楽というものは言語の能力を上回っているといえるのではないでしょうか。
極論ですが、音楽は集団の言語で
言語は個人の音楽といえるのでないでしょうか。
音楽がもたらす力
聴く人
コンサート会場で静まりかえった時、最初の音が鳴り響いた瞬間に人の脳の中では数十億個の神経細胞が影響します。
知覚、注意、記憶、知能、感覚、運動機能、感情コミュニケーションなどの機能を担う脳内ネットワークが瞬く間に活動を始めるといいます。
さらにさまざまな記憶が活性化します。
超短期記憶、長期記憶などが演奏された曲を知っていたら、活性化して情動反応を起こし心拍や呼吸に変化を及ぼしたり、涙を流したり鳥肌が立ったりします。
小さい頃聴いた曲、思い出の曲、大切な人と絡む曲、悲しい場面に聴いた曲、楽しかった時に聴いた曲、笑った時に聴いた曲等など、記憶が活性化して感情を揺さぶるような感じです。
音楽は情動伝染をするといいます。
これは脳の中の大脳新皮質と呼ばれる新しい脳の部分が関与しないで古い脳の部分で発生するらしいのです。
楽しそうに歌う人や笑う人を見るとミラーリングという模写反応が発生して自分も歌ったり笑ったりするようになるのです。
経験ありませんか?
音楽は感情の共鳴をします。
さらにさらに、音楽は感情移入や思考をも共鳴を起こさせます
こんな実験があったそうです。
映画館で空気の化学組成を調査した実験があります。
映画館の換気設備から空気を採取してエキサイティングだった時点、著しく愉快だった時点の空気の化学組成を調査した結果です。
化学組成に違いが出ているそうです。つまり人間には感情に応じた雰囲気を生み出していて音楽などで人が関わりを持っていたりする雰囲気(空気)は人にとって影響を及ぼすものだということです。
いい雰囲気を作り出す集まりなのか
嫌な雰囲気を作り出す集まりなのか
良い雰囲気で作り出される空気を吸う方が健康には良いといえるのではないでしょうか。
演奏する人
音楽を奏でる演奏者にとっても音楽はすごい力を提供します。
演奏するときに感覚運動機能を
楽譜を読みこむ時
演奏者同士に合わせる時
指揮する人、協調するための注意等など
脳の全体を働かせる状態になります。
音楽は社会的結びつきに良い効果を生みだす
現代社会は多くの先進国では高齢社会が起こり、人の関わり、絆が薄くなり社会問題になってきております。
人が幸せを感じる時はどういう時でしょうか。
美味しいものを食べた時
欲しいものを手に入れた時
お金を手に入れた時
いろんなものがあるでしょうが
インターネット上でのアンケート調査がありましたのでご紹介いたします
私はこの調査結果にない項目として「人とのつながり」というものがないと思います。
配偶者、パートナーは人とのつながりですが、そのつながりより社会的につながることがダイジだと思っています。
人間は「社会的生き物」と呼ばれるように人間は太古の時代より人と繋がっていないと生きて行けなかった動物です。
それが最近になってネットとか、孤独を楽しむとかで繋がらない生き方がもてはやされている感じをしています。
その反動が諸問題を表出してきているように思えてなりません。
健康に生きていくためには社会的な結びつきがないといけないと思っております。
何らかのコミュニティに所属したいと思うのも人間ならば当然のように私は思います。
所属していても形だけになってしまっているのも問題ではあります。
家族と暮らしていても、会話しない、食事も一緒に取らない、等。
これではコミュニティではありませんし、一緒にいても孤立化を感じてしまいます。
孤立は健康を損ねていきます。
音楽は人と触れ合うツールとするのは大変に良いと思っております。
ネガティブな感情や気分を明るくしたりして幸福感を上げてくれます。
まとめ
音楽療法というものがあります。
まだまだ研究途中だともいわれますが、多くの研究知見が出てきているのも事実です。
「いまさら」「年なのに」などのネガティブ思考を横に追いやり、ご自分がやってみたいと思う楽器の教室の門を叩くことをおススメします。
やってみて自分に合わなければ変えればいいんです。
門を叩くことで変化が起こります。
私の好きな映画の一つの『Shall we ダンス?』
平凡のサラリーマンがいつも乗る電車の車窓から
ダンス教室に立つ女性に憧れを抱きダンス教室の門を叩きます。
そこから生まれるドラマが楽しく、面白いものでした。
このドラマはアメリカでもリチャード・ギアが出演するリメイク映画にもなりました。
門を叩く勇気一つで何かが変わるかもしれません
※参考資料
最高の体調をつくる音楽の活用法(ステファン・ケルシュ著)
なぜ夫と別れても妻は変わらず健康なのか(村山洋史著)