腎臓は今や日本人の国民病といわれるようになっています。あの糖尿病患者数より多く、成人の8人に1人が腎臓を患っているという実態です。腎臓病って自分に関係ないと思っているあなた。本当に関係ないでしょうか?決して稀な病気でないことを知っておいた方がいいですよ。そんな腎臓の働きを知らない人へこのブログは書いています。
腎臓はどこにあるの?
腰のやや上の背骨を挟んで左右に1個づつあるのが腎臓です。
そら豆のような形で大きさは握りこぶし程度のものです。重さは約150g程度です。これはコンビニのおにぎりの重さが約110gだから少し重いくらいですね。
どうして2個あるの?という疑問がわきますが、2個あることに意味はないです、強いて言えば限られた体内スペースを有効に使用するために2個に分かれているといいます。また、腎臓の中は10区画に分かれていて必要に応じた働きをしているようです。
腎臓は肝臓と並んで「沈黙の臓器」と呼ばれ、機能が悪化しても初期症状は何もなく自覚するような症状はありません。徐々に機能の低下が進むとむくみ、貧血、夜間尿、などがあり気づいた時にはかなり進行している可能性もあります。
腎臓の主な働きは何?
尿として排出する
おしっこの機能です。体の中でできた老廃物や余分な水分を体の外へ出す働き。具体的にいうと血液をろ過して対外に排出する物質と体内に必要な物質と分類して不要なものは尿として膀胱へ送る働きです。
腎臓の中にネフロンというろ過する機能のものが1個の腎臓で100万個あって血液をろ過している。
腎臓は2個あるので合計で200万個のネフロンがあるということになる。すごい😙
どのくらいの血液がこの腎臓に流れ込んできているか、想像できますか。
1分間に800~1200mlの血液が流れこんでいる。
この流れ込む血液をろ過しているわけだけど、その血液のうち99%は必要な物質として再吸収されて残りの1%が尿として排出される。
この必要な物質って何か、理解できますか?
それはブドウ糖、ビタミンなど体にとって必要なもので再吸収される。1%が尿となって出ていくことになり1日にすると1.5ℓ近くが出されることになります。
体内の水分量や電解質のバランスを調整する
電解質ってなんだか難しいけど、水に溶かした時にプラスやマイナスの電気を帯びる物質のことで具体的にはナトリウム、カリウム、カルシウムがそれにあたる。
水分量の調整は想像つくと思うが、体がむくんだりするのはうまく調整されていない状態だし、電解質を調整し酸性、アルカリ性の調整を測ってくれている。体液でベストなバランスがpH7.4の弱アルカリ性。そのベストな状態にするためにバランスを保とうとしてくれる。
ホルモンを産生する働き
活性型ビタミンDを作り出します、これはホルモンに近い働きをするビタミンとして注文を浴びている。
このビタミンDは赤血球の産生を促すエリスロポエチンという物質や腸管からのカルシウムの吸収を助ける。だから腎臓の機能が低下すると赤血球の産生能力が低下して貧血の発症につながったり、骨粗鬆症のリスクが高まる。
腎臓が弱まると貧血や骨粗鬆症って、意外でないですか。
血圧を適正にコントロールする
腎臓の機能と血圧は大変密接な関係にあります。
具体的にいうと体内の余分な塩分(ナトリウム)や水分があれば尿として排泄。血圧が低下するとレニンという酵素を出してアンジオテンシンⅡというホルモンを産生し血圧を上げる。
つまり、腎臓は常に血圧の調整をしている。機能が低下するしたり異常をきたすと高血圧につながりやすく、腎臓の毛細血管が固くなり血管の抵抗が増してさらに血圧が上昇したりする。
腎臓機能の低下を起こさないために
過労を避けること、睡眠不足や不規則な生活をやめる。また、運動も過度にはしない。そして、ストレスをためないこと。ストレスは腎臓への血流を低下させ腎機能の低下を招く。
一般的だが、食事、運動、喫煙などの生活習慣を改善することが腎臓を守ることになる。
食生活
過剰な塩分を摂ることは腎臓に負担がかかることになる。塩分は1日6g未満にすることが望ましい。いろんなものに塩分が含まれている昨今の食品なので気を付けるには越したことがない。
旬な食材を選び、香辛料や酸味などをうまく利用して食事を楽しむ。
たんぱく質は筋肉や血液を作るのに欠かせない栄養素ですが、摂りすぎもよくありません。摂りすぎと腎臓に負担がかかります。かといってたんぱく質を減らしてしまうとエネルギー不足となって体内のたんぱく質を分解してエネルギーにしていくので、これまた負担をかけることになります
結局は、バランスよい食事が大切です。食べ過ぎが老廃物を増やすことにつながるのでその処理に腎臓も忙しくなり過労となり尿が濃くなります。
流れるべきものが流れずにいると血液が浄化されずの全身の血が汚れて疲労感が出てきます。
運動
有酸素運動がよい。
1日20~60分程度で過度にしないことがポイントです。段の昇り下りなどもよく、水泳、サイクリングが最適です。
腎臓機能の悪化が慢性腎臓病へ
どんな症状が発症することになるのか。
たんぱく尿が出てくる、血尿が見つかる、むくみとなって表れる、高血圧になってくる、多尿になる(水分が吸収されにくくなる)、尿量が少なくなる(腎機能がかなり悪化し尿を作ることができなくなる)。
腎機能がまったく機能しなくってしまった場合は透析が必要になります。
透析って血液を外へ出して人口腎臓のダイアライザーという機械で血液中の余分な水分や老廃物を取り除き、血液を綺麗にして体内へ戻すこともの。またはお腹に透析液を一定時間入れておいて腹膜を通して血液中の余分な水分や老廃物が透析液に移動するような透析方法もある。
まとめ
腎臓は気づかないうちに機能低下が進行してしまう。一度、慢性腎臓病になってしまうと腎機能を健康な状態に戻すことは難しい。進行を遅らせることが治療の中心になってしまう。
早期発見と生活習慣の改善が最善の予防策だ。
この透析の治療費は高額な費用になります。保険適用になり患者さんの費用負担はかなり少なくなっておりありがたい話です。しかし、この医療費、年間でどのくらいになっていると思いますか?
2019年のデータで1兆6,000億円で世界第2位に位置します。国の医療費を大きく押し上げる要因にもなています。自分の腎臓を守ることは日本の医療費負担を軽減することにつながる。
日頃の生活習慣が一番大切だと思います。