「割れた窓」理論をご存じでしょうか。アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング博士という人が提唱した理論です。窓が小さく割れたのを放っておくと、どんどん割れたところが大きくなって取り返すことができない状態になることをいっています。
1990年代、アメリカのニューヨーク市では犯罪が多発していました。当時のジュリアーニ市長が、この「割れ窓理論」を実践。割れ窓の修理や落書きなど軽微な犯罪の取締りを強化した結果、犯罪が大幅に減少したと言われています。
これは小さな犯罪を放置しておくと拡大していくという理論を早いうちに対処して犯罪を減らしたという事案です。
この人の性質をいい表しているのだと思います。日本でも障子に小さくあいた穴がどんどん大きくなっていくことがあったように思います。「どうせ穴が開いているんだから、いいんじゃない」というような感覚になりがちだと思います。
街でゴミが落ちていると、風などで壁や角にゴミが吹き溜まってきて、どんどんゴミが集まってくるのと似ています。
最近のニュースで多い「闇バイト」。
これは街中で落ちているものとは違いますが、SNSの中で吹き溜まってきたもののように感じます。
かなり世間で騒がれていますが、闇バイトに応募して犯罪に走る若い人が多いのは、SNSの中の闇バイト募集が清掃されていないからではないでしょうか。
SNSの各運営会社が利益を優先するのではなく、社会通念上の悪を取り締まる、排除するという理念がないとダメですね。
これは犯罪ということのみならず、あらゆることにいえると思います。
何事も小さいうちに芽を摘み取っておくと後で除去するときに楽になります。億劫がらずに早めに行動が求められますね。