「格差」という言葉がよく話題にあがりますが、多いのは経済格差ではないでしょうか。
この「経済=お金」の格差は関連するその他の格差を生み出しています。
今回取り上げるのは「健康格差」です
経済格差が健康格差を生み出す
経済状態の違いが健康というものにすぐに表出するわけではありません。
長い年月が蓄積し表面化するものです。
そのため、子供時期にどのような経済格差の元で育ったかで健康格差が生じているとデータにも表れています。
経済格差で起こること
- 高齢者での経済格差は所得が低いほど、その後の死亡や要介護認定のリスクが高くなる。
- 経済格差から経済危機が起こると管理職の自殺率が高まる。
- 生まれた家庭の経済状況が子どもの教育水準に格差が生まれ成人期・高齢期の健康格差が生まれる
経済格差以外での格差
地域格差
市町村で現在起こっている格差ではIADL(高次生活機能)の低い地域に起こる格差です。
IADLとは何か、日本老年医学会が定義している指標をご紹介します
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/tool/pdf/tool_13.pdf
つまり生活の機能面が低い場所ということになります。
買い物に外出したり、電車やバスの乗ってお出かけがしにくい地域ということになります。
バスの便がない、買い物先までかなり遠いなどの地域では車を運転していくことになります。
そうなると、歩くことが少なくなります。すると起こるリスクは認知症発症、要介護認定を受けやすいリスクが増加します
WHOによる格差の定義
大きく4つに分けて分類をされているようです。
1.所得
2.地域
3.雇用形態
4.家族構成
この4つを定義付けをしています。
まずは経済からの格差でいうと低所得車窓の死亡率は、高所得者の3倍高いと言うような現実があります。
このように人間の健康には多くの要因により格差が生じています。
今平均寿命が伸びる日本ではありますが、健康寿命の長さはそう伸びてはいません。
この健康寿命を決めているのは、実質的には社会と言えるのではないでしょうか。
所得による経済格差によって起こる健康とは具体的にどのようなものでしょうか。
それは食べるもので非常にわかりやすく説明できるかと思います。
所得の低い人の食事は、米やパンなど、炭水化物の摂取量が増え、野菜や肉類の摂取量が減少する事はデータでわかっています。
ご飯やパン、インスタントラーメンなど、穀物を主体とする食品は、一般的に価格が安い商品が多く、それでいて満腹感を感じてしまいます。
これに対して野菜肉魚介類などはの生鮮食品は、穀物や加工食品に比べて、値段は少し高いし、その上保存はあまりできません。
さらに、生鮮食品の多くは調理をすることが必要になりますので、食事の準備する時間を取ることが難しい場合の非正規雇用者等は、勤務時間が長かったりで料理にかける時間が取ることが難しい場合も多いようです。
まとめ
健康ではない状態というのは本人の意思に関係なく、その地域に住む環境にもよって違いが出てくることがわかりました。
格差に陥らないようにするためにも健康の知識を深めておいて、どのように対処したら健康を維持できるのかと考慮することも必要なことだと感じています。