主演二宮和也さん、北川景子さんの映画を観てきました。
物語は太平洋戦争末期からソ連の参戦でシベリアへ抑留された日本兵の物語です。
原作は辺見じゅん「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」です。
このラーゲリとはソ連の捕虜収容所にこと
第2次世界大戦終盤、満州へ日ソ不可侵条約を無視し進行したソ連。瞬く間に日本軍を蹴散らした。
捕虜となった人たちがソ連へ連行され強制労働を強いられた実話からの物語。
極寒のロシアの大地、食べるものも1日350gの黒パンと野菜が少しだけ入ったスープという、三段ベットで押し込まれた日本兵たち。
根底にあるのは「希望、生きる、家族への愛」
二宮和也さん扮する山本幡男と仲間たちが9年に及ぶ過酷な抑留生活を過ごす中で、「生きる」ことの意味を観ている者へ問いかける。
妻、子供、母親が待つ日本へ帰ることができるという「希望」を時には見失いもし、極寒の中で命を落とす者のいた。
次第に生きる希望を見出し、生きることへの前向きになって行く中、山本が末期がんに侵されていることを知る。
山本の家族への愛を知っていた仲間たちは、山本の思いを家族で届けようと遺書を書くように勧める。
しかし、収容所内では文字などを書き記すことはスパイとして疑われることになる。そこで仲間たちが考えた方法が山本の家族や妻へ遺言へ伝えることになる。その方法とは・・・・。
この映画を観ながら思ったことは、正にナチスドイツの収容所を彷彿させる物語です。
ドイツの収容所といえばアンネ・フランクの日記を思い出します。ベルゲン・ベルセン強制収容所での出来事を綴った日記が有名です。
アンネ・フランクの名言「希望があるところに人生もある。希望が新しい勇気をもたらし、再び強い気持ちにしてくれる」というものがありますが、この話の日本版といえる。
映画の中で、生きる希望を失い自ら収容所の脱走と見なされ射殺されてもおかしくないエリアへ足を運ぶ。必死に止める仲間たち。そこで、生きる希望がないという中でも「それでも生きろ!」と叫ぶ山本。
生きる環境に極悪な環境の中、人間は生き続けるには何が必要なのか。「生きる」とは何だ!と観ている者へ強烈にメッセージを投げかけられる感じを受けた。涙があふれ、いろんな念いが沸き上がった素晴らしい映画でした。
この映画を題材にした心のセミナーを受けたました。
この映画を観た講師はフランクルの「夜と霧」にも似た内容を思い起こしたといいます。
零下40度近くなる極寒の中での作業、わずかな食事、自由を奪われた身でありながら9年近く、生きていけるものだろうか。
そこで生き抜いた人たちと死んでいった人との違いは何なのか。
このソ連の大地シベリアへ抑留された人たちは60万人、死んだ人は6万人いたといいます。
似たようなナチスドイツのアウシュビッツで生き抜いたフランクルは精神科医であり、生き抜いた理由を考え抜いた。
生きるということに地獄のような逆境の中、人間は生きていけるのか。
そこには、希望を持つこと以外にない。
その希望とは2つある。
①自分しかできないと考えること
自分がやるんだという意識
②自分を必要とする人がいるということ
愛する人がいるということ
この①~②が人間の生きる糧になる。
これは人との関わりが欠かせない。逆境を耐え抜くときに必要な念いは人への「感謝」「利他の心」です。苦しい時だからこそ感謝をする、利他の心は小さなことでもいいのです人を勇気づける言葉をかける、親切にすることです。
それが生きる希望を与えていきます。
ありがとうございます、おススメの映画の話でした。