映画「1/4の奇跡」を観て

山元加津子さんのドキュメント映画「1/4の奇跡」を観ました

この映画を一言で表現すると、「生まれたのには理由がある」ということだと感じました。

そう感じることをいくつかのストーリーにわけて話は進んでいきます

古代文明と障害を持った子供たち

その一つが古代文明の遺品と障害を持った子供たちの書くもの、つくるものに共通項があるといいます。

障害者の養護学校の山元先生が子どもたちと接するうちに子どもたちは素晴らしい表現をすることに気付いたそうです

その子どもたちの言葉や描く絵、つくる粘土細工が、古代文明の遺品と大変似ている。

古代文明の遺跡の中で現代で再現が難しいものがいくつかありますが、いったいどうやってできたのか、それは宇宙の何かと結びついていた?古代人の中に指が6本あった人がいた?(そのような壁画が残っている)それは障害者であって、その人たちは何か宇宙からの何かを感じ取っていたのではないかと。

障害者とはある役目があって、生まれてきていたのではないかと感じることがあるといいます。

だから古代人の遺品(古代人にもいた障害者が作ったもの、障害者を形どったもの)と障害を持った子どもが描くもの、つくるものが共通することがあるのではないかと想像していたようです。

赤血球

学者の話で、アフリカでマラリアが流行って多くの人が死んだ。しかし、マラリアにかからない人がいるといいます。その人たちの調査すると赤血球の形が違っていたといいます。

楕円形のような赤血球が多いんですが、鎌のような形状(鎌状赤血球)をしていた人たちがいて、その人たちはマラリアにかかっていなかった。

その鎌状赤血球の人たちの中でも特徴があることが鎌状赤血球の人たちの兄弟を調査したところ分かったことがあるようです。

①1/4は障害を持った人

②2/4は障害をもっていない人

③1/4は鎌状赤血球でもなく障害ももっていない人

のこの三つのグループに分けられたようです

マラリアが流行する中で③の人はマラリアにかかり死んでしまう

①、②の人はマラリアにかからない

ではマラリアにかからない①、②の人たちで仮に①の障害を持った人をいらないのではないかと排除したらどうなるか。

①の人を排除すると、②の人たちは生まれてきていないといいます。

つまり①の人たちは必要だから生まれてきているという研究発表があったようです。

笹田幸絵

多発性硬化症(MS)という病で障害を持った女性のお話です。

高原病の一種で脳、目、足、など体の一部が固くない動かなくなるという病です。

その女性の詩や言葉を引用して感じたことを山元さんが語ります。

笹田雪絵さんが語ります「この病を持ったからこそ、感じられること、出会った人、だから感謝している」と。

笹田さんが残した詩が映画では披露されています。

感銘を受ける詩です。

笹田さんはお亡くなりになるのですが、山元さんとの交流や想い出を映画で語っています。

山元加津子さんが感じる生命の尊さ、子どもたちの言葉、命は繋がっているという感覚。感動を覚えます。

笹田幸絵さんの詩をご紹介したいと思います

題名は「ありがとう」

私、決めていたことがあるの。

この目が、ものを映さなくなった目に、

そして、この足が動かなくなったら、足に、

「ありがとう」って言おうと決めているの。

今まで、見えにくい目が、一生懸命、見よう見ようとしてくれて、

私を喜ばしてくれたんだもん。

いっぱい、いろんなもの、素敵なものを見せてくれた。

夜の道も、暗いのに頑張ってくれた。

足もそう、私のために信じられないほど歩いてくれた。

一緒に、いっぱいいろんなところへ行った。

私を一日でも長く、喜ばせようとして、目も足もがんばってくれた。

なのに、見えなくなったり、歩けなくなったとき、

「なんでよ!」なんて言っては、あんまりだと思う。

今まで、弱い弱い目、足が、どれだけ私を強くしてくれたか。

だからちゃんと、「ありがとう」って言うの。

大好きな目、足だから、こんなに弱いけど、大好きだから。

「ありがとう、もういいよ。休もうね」って言ってあげるの。」

1/4の奇跡より

まとめ

障害者というのは人間社会において不要な人たちではなく、必要だからいる。必要だからこそれてくる。

この世において不要な人は誰一人いないという想いがこの映画全体に流れています。

映画で紹介される障害を持った子供たちの素直な想いからの言葉・詩がとても心に染みわたります。

障害を持たず健常者である人たちの中で、自らの命を断つ人が少なくない時代です。

自分自身の価値を見出せずに自分が不要だという想いで命を断つ。

誰一人不要で生まれてくる人はいない。そんな想いにしてくれる映画でした。

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