年末年始で大忙しなのは肝臓です!

年末年始で大忙しなのは、仕事や遊び、掃除、料理の準備だけではありません。

あなたの身体の中もめちゃくちゃ忙しいのは内臓です。

特にフル稼働なのは、”肝臓”です。

年末年始、身体をゆっくり休めようとするのは心にも体にも大変よいことです。(お仕事がお休みの方だけですが・・)

ゆっくりするのはいいんですが、お仕事がお休みになった途端、昼間からお酒三昧、つまみ三昧をしていませんか。

外は寒く暖房のきいたお部屋でゴロゴロと・・・・。

こんな年末年始の過ごし方の人の身体の中はどんな状態なのでしょう。

”肝臓”はめちゃくちゃ忙しいですよ~

肝臓ってどんな臓器でしょうか?

大人の人の肝臓サイズは1〜1.5kgで体重のおよそ50分の1くらいといわれています。体内の中で一番重い臓器なんですよ。

血液が多く含まれるので暗赤色をしていて体の中の最も高温な臓器なんです

主な働きは五つあります

  1. 栄養素の貯蔵と加工
  2. 有害物質の解毒
  3. 赤血球の分解
  4. 胆汁の産生
  5. ビタミン、ミネラルの貯蔵

一つずつ解説すると

1 栄養素の貯蔵と加工とは、口から食べた食べ物が胃、小腸と送り込まれた栄養素をため込んだり、体に役立つように作り変える働きをしています。

三大栄養素がおのおのの性質によって分解されていきます。

タンパク質は、消化菅でアミノ酸に分解されていますが門脈を通って肝臓に入ってきてます。そこで再びアミノ酸を結合していき体にあったタンパク質に作り変えています。

脂質は、腸管で脂肪酸とグリセリンに分解されて肝臓に入ってきています。そこでコレストロールやリン脂質に作り変えられ血液中へ出します、余った場合は中性脂肪として貯蔵されます。

炭水化物は、ブドウ糖に分解されて肝臓に入ってきています。ここでは体を動かす原動力となったり血糖値の調整を行うグリコーゲンに作り変えられ血液中に放出されています。

2 有害物質の解毒とは、体の中の老廃物や体外から取り入れた有害物質を分解したり毒物を無害にして尿や胆汁とともに体外に排出します。

有害物質とは、例えば、アルコールです。

年末年始、大量に体に取り込もうとするアルコールです。

体に入ったアルコールのペースが早かったり、大量だったりすると分解が追いつかず処理しきれなかったアルコールやアセトアルデヒド(アルコールの中間代謝物質)が全身に周り「酔い」の状態になっていきます。

3 赤血球の分解とは、血管を流れる赤血球が古くなったもののヘモグロビン(血色素)を分解し鉄を生成します。それは新しい赤血球の材料となります。また、同時に胆汁の元となるビルリビン(黄色い色素)も生成します(ウンチの黄色い色)

4 胆汁の産生とは、赤血球のヘモグロビンから分解されたビルリビンは胆汁を産生し食べ物の消化・吸収に役立てられます。肝臓の働きが弱まってビルビリンが血中に増えると黄疸の症状が出てきます。

5 ビタミンやミネラルの貯蔵や放出を担っています。

このように肝臓は大変重要な働きをしている臓器です。

その臓器が年間で一番忙しくなるのが年末年始ではないでしょうか

アルコールは有害物質!?そんなにお酒は体に悪いのか?酒は百薬の長ではないのか、と言われそうです。

このお話は学者さんや論文でさまざまな意見が出ています。どれを信じるかはあなた次第ではないでしょうか。そもそも人は体格、生活習慣、持病、体質、遺伝等など一人ひとりが違っています。多くの人の実験結果から〇〇だ!と結論めいた学説が出ていても100%自分がその通りになるとは限りません。

お酒は人類が古くから嗜好してきたものです、有害物質だと断定することもできませんし、そもそも飲酒の量が問題かもしれません。

量を摂りすぎるとどんなものでも害があります。体に良いとされるものでも過剰摂取には何らかの副作用が出てくる可能性が高くなります。

ほどほどがよろしいかと思います。

肝臓を悪くしている脂肪肝患者が年々増加している

日本では現在 脂肪肝患者数推定でおよそ4000万人に達しているようです。日本人の3人に一人がかかっている状態です。

脂肪肝を大別すると「代謝異常に関連する脂肪性肝疾患(MAFLD)」、「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」、「アルコール関連肝疾患(ALD)」とにわけてみることができます。

脂肪肝になるのは過剰なアルコール摂取だけが原因ではないので注意が必要です。

アルコールを毎日大量に飲む場合、揚げ物などの脂のギトギトなものを多く食べている場合、又は遺伝的な場合などが脂肪肝になると誤解をしている人がいるようですがアルコールを飲まない人でもなる可能性があります。

それはどんな場合かを次の項目でご紹介いたします。

非アルコール性脂肪肝

ご飯やパン、麺類などの糖質の過剰摂取からなる場合もあります。暴飲暴食している人だけが脂肪肝になるのではないことを知っておいた方がよさそうです。

BMI値が正常で太っていない方でも脂肪肝と身体検査で指摘を受ける人も少なくないようです。

ここには日本人の特性としての遺伝的要素があって脂肪分解がうまく進まない体質もあるようです。

糖質を摂取すると血糖値が上昇します、するとすい臓からインスリンが分泌されます。そして血糖値を調整していきます。このインスリンには血糖を肝臓に取り込む作用があります。血糖はグリコーゲンに合成されますが、肝臓には70〜80gのグリコーゲンが貯蔵できません。このため過剰なグリコーゲンは中性脂肪に合成されてしまいます。この流れは脂肪肝の引き金になりかねません。

実はグリコーゲンを貯蔵する機能が体にはあります、それは(骨格筋)筋肉です。

骨格筋があると肝臓と共にグリコーゲンを蓄えていくことができるんです。

ただ骨格筋は30歳以降年齢と共に衰えていきます。まして運動不足だった場合は一年で1%ずつ筋肉はなくなっていくといわれています。つまりグリコーゲンも蓄える量が減少してしまい、中性脂肪として蓄積されやすくなるんです。

脂肪肝になると何が怖いの?

自覚症状は現れにくいものの、なんとなく体がだるい、疲れやすい、吐き気がする。右わき腹が張るなどの症状が出る場合があります。苦痛がないことが多いようです。

進行すると食欲不振、全身の倦怠感、上腹部の痛みが出てきたりします。

これを放っておくと肝炎、肝硬変となり肝臓がんへ進行していきかねません。

また、脂肪肝が進むと肝臓の中に貯蔵できなくなったブトウ糖が血液中に増えて血管を傷つけ動脈硬化を進行させます。心筋梗塞、脳卒中、腎臓病などの発症リスクが高まります。

まとめ

年末年始で飲食の機会が増加しアルコール摂取量も増加しがちです。

過度に摂取するのを控えることも必要かと思います。

長いお休みでリフレッシュし心がゆったりとして楽しいでしょう。しかし、食べ過ぎた飲みすぎた場合は、内臓が大忙しです。心と同じように内臓も休憩させてのんびりさせてあげることも大事ですね。

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