人間の五感の中で最も原始的な嗅覚 衰えるとどうなる?

嗅覚は老化する

脳の中にある大脳辺縁系とい場所。

ここは人の情緒や欲望、記憶などに深く関わる場所です。

嗅覚、感情、などの短めに記憶に関する部分でもあって動物同士で愛着や繋がりをもち、つながりを育み、意図した行動を取ることができることなどに関わる場所です。

この場所で嗅覚が持つ役割は大きくあります、その嗅覚について本ブログは書いてます。

嗅覚は衰えるの?

匂いの衰え

人は老化によって体の機能って衰えてきます。目、手、足、耳、などなど。

では嗅覚はどうなの?というのが疑問の始まりです。

さまざまな文献からわかったことは

男性は60歳を超えると嗅ぐ力は衰える
女性は70歳から急激に低下する
  でした。

でも目や耳と比較して嗅覚の衰えを意識できないことありませんか。


その理由は何だと思いますか?

匂いってあまりを意識することが少ないからではないでしょか。

また、匂いは同じものを嗅いでいると順応性がありあまり感じなくなるのも、その理由にあるかもしれません

目の場合は見にくい、見えないとか。

耳は聞こえにくいといって気になりがちです。

でも匂いはあまり支障を感じにくいものだと思っています。

嗅覚の衰えで困ること

ガス

実際に嗅覚が衰えて困ることって何かを上げてみました。

・腐ったものがわからない
・ガス漏れに気づかない
・食事が美味しくない
・調理の味付けがわからない
・煙の感知がわからない

いかがでしょう?思い当たる節はありませんか。

ここに上げたことは生活に支障を及ぼすことが意外と多いですね。
注意しないと命の安全にも関係することもあったりします。

さらに嗅覚が衰えると「サルコペニア」になりリスクが増大するといいます

サルコペニアって、シニアの人たちへの関心時になることで、筋肉量が減り、筋力も落ち、身体能力が低下した状態になってしまうことを示します。


嗅覚が低下すると味覚も落ち食への関心が薄くなり食欲が減退やがては栄養不足に陥ったりします。

嗅覚障害の原因となるものって何?

ではどんなことが嗅覚障害の原因になっていくのでしょうか。

少し見ていきたいと思います。

・慢性副鼻炎
・風邪後の嗅覚障害
・アレルギー性鼻炎
・外傷性嗅覚障害
・加齢による嗅覚障害
・認知症、パーキンソン病などの神経変性疾患の嗅覚障害

病名だけを見ていると、なかなか自分で判断するのは難しそう・・・と思っていました。

さらに嗅覚は記憶に関わる部分に影響を与えてる

ブログ冒頭にも記述したように人間の五感の中で最も原始的な「嗅覚」

なんと嗅覚は、記憶という部分に影響を与えるようです。

匂いと結びついた過去の記憶、古い記憶が貯蔵する脳の大脳皮質から引き出される流れは

出来事→記憶→海馬→大脳皮質と流れていきます

大脳辺縁系


この流れは五感の中で嗅覚だけが少し変わったつながりをもっているからです。

視覚、聴覚、触覚などの体性感覚(皮膚感覚やカラダの中にある感覚のこと)とつながっているの嗅覚だけが視床とつながっていないのです。

嗅覚は一度鼻で感知すると、まっすぐに嗅球という匂いを分析する部分へつながり、扁桃体や海馬といった記憶を処理する部分に接続されているのです。

このダイレクトな機能があるから、幼いころに嗅いだ匂いが記憶と絡みあって、その匂いの元のものといっしょに記憶が蘇ることがあるようです。

それで大学機関の研究によると嗅覚が平均以下に低下している高齢者の方は、平均以上の高齢者の方と比較してアルツハイマー型認知症の前段階であるMCI(軽度認知障害)の発症率が約50%高くなるという研究報告がなされています。

これは注意しないといけないですね。

私自身は匂いってあまり意識していないので・・・。

匂いのメカニズム

この嗅覚の匂いを感じるメカニズムってどうなっているか興味がわいてきました。

金沢医科大学耳鼻咽喉科学 三輪高喜教授著の
「カレーに匂いがわからなくなったら読む本」より引用をさせていただきます。

鼻腔・・・空気、匂いの物質の通り道
嗅粘膜・・・鼻腔の天井部分で匂いを感じる
  →嗅神経細胞・・・約1,000万個並んでいる
  →嗅覚受容体というセンサーがある

嗅球・・・脳の領域に情報が伝達
大脳辺縁系を経由して眼窩前頭皮質で匂いを認知するというような流れのようです。

嗅覚低下のリスク回避する方法

ここで嗅覚の機能低下を予防する方法を書かせていただきす。

①鼻の病気を治療すること
②生活習慣病を改善すること(動脈硬化がある人は嗅覚低下を起こしやすい)
③禁煙すること
④運動をすること
⑤感冒後嗅覚障害にならないように風邪を予防すること

健康の大原則である「運動」が出てきます。


海外の研究より、週に3回以上、汗をかくような運動を継続することで、10年後の嗅覚低下の危険率が0.73倍に低下したという報告があるようです。

そもそも②の生活習慣病を改善するという項目には必ず「運動」がありますけどね・・・。

嗅覚のトレーニング

匂いをかぐ

リスク回避することはわかったけど、予防する方法はないのか、と知りたくなりますよね。

それは結構単純明解です。

「これは〇〇の匂い」と意識して嗅ぐこと
  嗅ぐことによって生じる刺激が海馬に伝わって脳の神経細胞が活性化されると考えら
  れる
  1種類の匂いではなく何種類もの匂いを30秒程度嗅ぐというトレーニングを行う

  3種類の匂いを10秒ずつ嗅ぐというトレーニングがよい

  食事の時に、まずは料理の匂いを嗅いでみる

まとめ

「嗅覚」何気なく大切な匂い。匂いってかなり大切だということがわかっていただけたでしょうか。

歳を重ねると、ついついカラダが痛い、目がかすむ、耳鳴りがする、腰が痛いなどがありますが、気にしないのが匂いではないでしょうか。

ここを意識することでアルツハイマー型認知症などを予防できると思ったら、積極的に匂いのトレーニングをしたくなりました。

ちなみに他の動物の嗅覚力はどのくらいあるか

嗅覚受容体遺伝子の数でみてみました。
人間・・・約400
犬 ・・・約800
チンパンジー・・・380
マウス・・・1,130
馬 ・・・1,066
牛 ・・・1186
アフリカゾウ ・・・1,948

意外な動物が高いことに驚きます。

良い匂いを嗅いでいきたいですね。

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